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日本海沿岸の絶景を楽しむ福井県ドライブ旅

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福井県は、日本海と山々に囲まれた海と山の恵みの共存する地で、まだあまり知られていない本物の日本を感じたい方にとって、間違いなく訪れてみる価値のある場所です。電車で訪れる場合、名古屋からは県の南の玄関口にあたる敦賀駅まで約1時間10分です。

今回の記事で提案する福井県でのドライブプランは、敦賀駅でレンタカーを借り、日本海沿岸の美しいドライブルートを北上して泉質に定評のある温泉地で一泊。翌日は、大自然を感じられる景勝地や戦国時代(15世紀末から16世紀末)の遺構を巡りながら北陸新幹線の福井駅に到着するコースです。

Day 1

敦賀駅からドライブをスタート

敦賀は福井県のほぼ中央に位置しています。日本海に面し、古くから水陸の交通の要衝として栄えてきました。敦賀駅は、名古屋や大阪から福井県を訪れる場合の玄関口となるターミナル駅です。駅周辺にはいくつかのレンタカー店があり、電車で訪れ、そのまま車を借りやすい環境が整っています。

福井旅行の玄関口となる敦賀駅
美しい白浜が続く気比の松原。夏には海水浴も楽しめる

ここからのドライブに先立って、少し気比の松原に立ち寄ってみましょう。敦賀駅から車で10分ほどの距離にあり、日本海に面した白砂と松が美しい景勝地です。

南越前町で北前船の歴史観光を楽しむ

つぎの目的地となる南越前町までは車で約30分。波の静かな敦賀湾を眺めながら、海沿いの道を北へ向かいます。ドライブの舞台となるしおかぜラインと国道305号は、風情ある日本の漁村や呼鳥門をはじめとする日本海沿岸の景勝地を辿る道路で、ここでのドライブ自体が旅の目的となるような魅力的なコースです。

国道305号に面する「北前船主の館 右近家」
高台に建つ右近家の西洋館からは日本海と船主集落を望むことができる

南越前町は、かつて北前船の寄港地として栄えました。北前船は江戸時代から明治時代(18世紀中頃から19世紀後半) にかけて日本海を舞台に活躍した大型商船で、北海道や東北地方と商業の中心地であった大阪を往来しながら、各地の港に寄港し、様々な商品の売買を行いました。

館の中には北前船の模型も飾られている
河野北前船主通りに建つ「中村家」

南越前町の海沿いには、そんな北前船で富を得た由緒ある商家、右近家と中村家の館が残り、公開されています。内部は豪勢な造りになっており、当時の暮らしぶりや栄華を伺い知ることができます。

海沿いの店で海鮮丼ランチ

右近家と中村家のある南越前町や隣接する越前町周辺はとくに漁業が盛んな地域として知られています。漁港の近くには、地元の漁港で水揚げされた新鮮な魚介を提供するお店がいくつもあります。

漁港に近い場所ならではの新鮮な魚介が楽しめる

季節ごとに旬の魚介を使った海鮮丼がおすすめ。越前がにのシーズン(毎年11月6日〜3月20日)には、豪華なかに料理も楽しめます。

漁火街道をドライブ

ランチを食べた後は、近くにある道の駅越前にも寄ってみましょう。この道の駅では、新鮮な海産物や地域の工芸品が販売されているほか、越前がにミュージアムが併設されており、越前がにを楽しみながら学ぶことができます。また、近くには日帰り温泉もあり、日本海のパノラマを望める露天風呂が人気です(とくに夕日が絶景!)。

「道の駅越前」と「越前がにミュージアム」
眺望が人気の「露天風呂 漁火」

ふたたびドライブに戻り、国道305号を北上しましょう。

国道305号の途中にある呼鳥門は、長い年月をかけて波の力で削られた巨大な洞門です。かつては国道がこの門の下を通っていたこともあり、自然のトンネルとして知られていましたが、トンネルが整備されたことで、いまは車も人もくぐることはできません。ですが、近くまで歩いて見学することができ、日本海と断崖と豊かな緑とのコントラストが美しい、人気のフォトスポットになっています。

自然が作ったトンネル「呼鳥門」
呼鳥門周辺も美しい景色が楽しめるフォトスポット

南北に走る国道305号は別名、「漁火街道」とも呼ばれ、西の日本海に沈みゆく夕日と、夕日が沈んだあと、海に漁船の灯りがともることで海上に広がる幻想的な景観が人々を魅了しています。夕暮れから日没にかけて刻々と変わりゆくこの海岸線の美しさは、間違いなく日本旅行の忘れられない1シーンになることでしょう。

越前海岸は日本有数の夕日の絶景スポット
陽が沈むころには幻想的な漁火が海に浮かぶ ※主に5月頃から11月頃

あわら温泉

ドライブのあとは、宿泊地であるあわら温泉へ向かいましょう。あわら温泉は、北陸地方を代表する温泉地で、これまでに多くの著名人や文化人が温泉の癒しを求めてこの名湯を訪れてきました。

美しい田園地帯の向こうにあわら温泉の旅館が立ち並ぶ
だれでも足湯を楽しめる「芦湯」

あわら温泉でとくに特徴的なのは、70以上もの源泉があり、それぞれの旅館が独自の源泉井戸をもっていることです。高級宿からカジュアルな宿まで20軒以上の温泉宿があり、宿ごとに個性ある温泉が楽しめます。もちろん、福井の旬の味覚をふんだんに使った日本料理も旅館滞在の欠かせない楽しみ。温泉で旅の疲れを癒し、翌日に備えましょう。

Day 2

東尋坊と雄島

二日目の朝は北陸地方を代表する景勝地である東尋坊からスタートです。あわら温泉からは車で約15分のところにあります。

断崖の絶景が楽しめる景勝地「東尋坊」
岩壁からは遊覧船も発着している

柱状節理の断崖が続く東尋坊は、日本ではサスペンスドラマのクライマックスシーンのロケ地としても有名です。そそり立つ岩壁から足元の海を覗き込むと、思わず足がすくむ高さ。荒々しい自然の力を感じつつ、足元に十分に気をつけて散策してください。

青い海に遊覧船の白い航跡が美しく伸びていく
東尋坊には多くの土産物店がある

波が穏やかな日には東尋坊の岩壁から遊覧船が発着しており、海上からも迫力ある岩壁を眺めることができます。また、東尋坊の周辺には、蟹や海鮮を楽しめる食堂やおしゃれなカフェ、土産物店が並ぶ通りがあり、多くの観光客で賑わっています。

海岸から赤い橋で渡ることができる「雄島」
島内は深い原生林が生い茂る神秘的な場所

東尋坊と併せて訪れたいのが、車で数分のところにある雄島です。雄島は越前海岸に浮かぶ小さな島で、印象的な赤い橋を歩いて渡ることができます。原生林が生い茂り、古くから地域の人々に大切にされてきた神秘的なスポットです。

大湊神社の鳥居から望む東尋坊
柱状節理の岩肌が特徴的

島の中心部にある大湊神社は海の守り神として漁師や航海者から信仰を集めてきました。いまは各地からの旅行者が絵馬に願い事を書き込んでいます。

島の外周には遊歩道が整備されており、1時間ほどで一周でき、柱状節理の岩肌や遠くに東尋坊を望む眺望などの見どころがあります。東尋坊の賑わいとはまた異なった静かな魅力があります。

2日目のランチは福井県の名物、油揚げ料理

日本各地の食文化に関心のある方には福井県名物の油揚げ料理がおすすめです。

厚みがあり食べ応えのある福井県の油揚げ料理

油揚げは、薄く切った豆腐を油で揚げた日本の伝統的な食材で、高タンパクかつ低カロリーな食材として注目されています。福井県は、油揚げの消費量が日本一の県として知られています。この地域の油揚げは、一般的な油揚げよりもはるかに分厚く、まるでステーキのような存在感があります。県民に愛される地元の名物を味わってみましょう。

一乗谷朝倉氏遺跡と一乗谷朝倉氏遺跡博物館

福井市のはずれにあり、福井の歴史を感じるためにぜひ立ち寄っておきたいのが一乗谷朝倉氏遺跡です。東尋坊からは約1時間のドライブになります。

「一乗谷朝倉氏遺跡」のシンボルである唐門

朝倉氏は戦国時代に約100年5代に渡ってこの地を支配し、その後、織田信長の攻撃を受けて滅亡しました。全盛期には京都から戦乱を逃れた公家や文化人も多く訪れ、栄華を誇ったという城下町も、信長の攻撃で焼失して以降、再建されることなく、幻の都市として地中に埋まったままになりました。

栄華を極めた越前朝倉氏の貴重な遺跡群
遺跡を取り囲む豊かな自然も見どころ

現在、建物の礎石や道、庭園、武家屋敷跡などが当時のままの位置で発掘され、保存されています。貴重な遺跡には、日本の庭園文化の粋を凝らした4つの庭園があり、そのすべてが国の特別名勝に指定されています。一乗谷朝倉氏遺跡全体は、特別名勝、特別史跡、重要文化財に三重で指定されている貴重な場所です(他の三重指定されているのは京都の金閣寺や広島の厳島神社など)。

復原された町並みが約200mに渡って整然と続く
当時の武家屋敷の様子が再現されている

武家屋敷などを当時の姿で再現した復原町並も見どころです。

また、遺跡から車で5分ほどのところにあり、2022年に開館した一乗谷朝倉氏遺跡博物館では、発掘された貴重な資料が展示されています。博物館では多言語の情報も整備されており、外国人旅行者にも親切です。

福井県でのおすすめの土産

福井県らしいお土産品としておすすめなのが恐竜グッズです。

日本で発見された恐竜化石のうち、約8割が福井県で見つかっており、今回のコースでは紹介できませんでしたが、世界的にも評価の高い恐竜博物館も県内にあります。東尋坊でも、高速道路の途中で立ち寄るサービスエリアでも、至るところに白衣を着た恐竜のモニュメントがいて印象に残ります。大人から子どもまで楽しめる恐竜グッズが様々な場所で売られています。

また、福井県は繊細な日本の手仕事が光る越前和紙や越前漆器といった伝統工芸品の産地としても知られています。福井駅周辺のお土産物屋さんでは、伝統工芸品が豊富で選びやすいです。旅の記憶を形に残す逸品がきっと見つかります。 国内における眼鏡枠の出荷額において、福井県は9割以上のシェアを誇っており、眼鏡の形をしたお菓子も人気のお土産の1つです。

巨大な恐竜のモニュメントが印象的な福井県
定番の恐竜のお菓子から工芸品のメガネを模したお菓子まで

おわりに

一乗谷朝倉氏遺跡から車で約25分。ドライブ旅の終点となる福井駅でレンタカーを返却します。東京、名古屋、大阪という日本の太平洋側の大都市を辿るだけでは知ることのできない日本旅行の魅力が、この日本海沿岸のドライブ旅から感じられることでしょう。セントレアからのアクセスの良い福井県を訪れ、ぜひ楽しんでみてください。

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