| セントリップ・ジャパン編集部

【東山動植物園】with コロナ時代の動植物園の楽しみ方

東山動植物園は1937年に開園した歴史ある名古屋の動物園だ。
約60ヘクタールの広大な敷地のなかに動物園と植物園が併設されており、動物の飼育種類数は日本で一番多い。入場者数も東京の上野動物園に続く第二位と、中部エリアを代表する公園施設となっている。
そんな東山動植物園も2020年には新型コロナウィルスの影響で、一時、休園を余儀なくされた。本記事は、再開後の様子とwith コロナ時代の動植物園の楽しみ方について、東山動植物園管理課の田矢氏と松田氏から話を伺った内容をもとに構成されている。

(コロナ禍の東山動植物園の様子)

外国人観光客にも人気のある東山動植物園

東山動植物園は名古屋駅から公共交通機関でのアクセスもよく、また、大都市の中心部にありながら広大な敷地と豊かな自然を楽しめることもあり、開園以来、多くの来園者を集めてきた。
東山動植物園では現在進行中の東山動植物園再生プランに基づき展示施設の整備を行っており、開園100周年にあたる2032年までに、年間の来園者数を現在の約250万人から350万人に増やす目標を掲げ、現在、様々な取り組みを行っている。そうした流れのなかで、名古屋市の観光コンベンションビューローとも連携して外国人観光客の誘客にも積極的に取り組んでおり、台湾やタイ、インドネシア等からの視察も受け入れている。
園内マップ等の多言語対応も進めており(英語、簡体字、ハングル、ポルトガル語)、今後はQRコードを使った解説の仕組みの導入も検討されている。

(東山動植物園の多言語マップ)

新型コロナウィルスによる東山動植物園への影響

新型コロナウィルスの感染が広まり、愛知県に緊急事態宣言が出された4月10日から5月27日までの間、東山動植物園は臨時休園していた。試験的なプレオープンを経て、6月2日から開園したが、入場については事前予約制を導入し、入場者数の制限を行っていた。4月〜5月の休園中は、動物たちもどこか通常とは違う気配を察知したのか、ふだんよりものんびりとした雰囲気だったとのことだ。

(昼寝中のライオン:夏バテ?)

6月30日以降は通常通りの運営に戻ったが、例年、来園者の増える秋の行楽シーズンに向けて、密集を避けるための対策として、9月19日から土、日、祝日には事前予約制をあらためて導入すると発表している。

東山動植物園の新型コロナウィルス対策

本記事執筆時点で、東山動植物園では、動物とのふれあいイベントや飼育員による動物の説明イベントなどはすべて中止されている。また、マスク装着の協力要請、アルコール消毒や手洗いの徹底、ソーシャルディスタンス確保のための注意喚起などを強化している。
さらに、新型コロナウィルスは人から動物への感染が報告されていることもあり、一部、ネコ科の動物や類人猿については、通常よりも入場者との距離が保たれている。屋内にある人気のコアラ舎では、距離の確保と長時間の観覧の回避を呼びかけるパネルが設置されていた。

(東山動植物園で大人気のコアラ)
(コアラ舎内に貼られた注意喚起文)

9月19日からの事前予約制について

事前予約制度はインターネットを通じて行うことができる(往復はがきによる事前予約制度もあるが、インターネットの利用ができない人が対象)。
予約は来園の1週間前の午前9時から当日まででき、一度に10名分まで予約することができる。予約自体は無料だが、入園には別途入園券等の購入が必要。入園時に予約情報のQRコードを提示して入園することとなる。動植物園では、券売窓口の混雑緩和のため、コンビニ等での事前購入を呼びかけている。
なお、名古屋市内在住の65歳以上の方、障害者手帳等所持者(介護者2名まで含む)、年間パスポートの所有者は予約不要だ。

with コロナ時代の東山動植物園

屋内での密集を避けつつ、広い屋外で過ごすことのできる動植物園は、ウィズ・コロナの時代の休日の過ごし方として最高の選択肢のひとつとして注目されている。東山動植物園の入園料は大人500円、中学生以下無料であり、この設定は1994年から25年以上変わっていない。この安さも東山動植物園の魅力の一つだ。

(広大な敷地内にある池)

動植物園では現在、「東山動植物園再生プラン」を進めており、順次、動物舎をリニューアルするなど、新しい動植物園へ生まれ変わろうとしている。どんどん変化していく動植物園は、何度訪れても新しい発見があるはずだ。外出前の検温やマスク着用等、感染予防に最大限注意しつつ、東山動植物園を訪れてほしい。

Related Articles Related Articles