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セントリップ・ジャパン編集部
【熊野古道伊勢路】名古屋から行く松本峠と熊野市の世界遺産観光
三重県熊野市には、熊野古道の石畳歩きが気軽に楽しめる松本峠があり、その周囲の海岸線には鬼ヶ城、獅子岩、花の窟、七里御浜といった世界遺産が集まっています。また、市の山側に向かえば、日本一と称される棚田、丸山千枚田の絶景が広がっています。
名古屋から熊野市へは、2021年の熊野尾鷲道路の全線開通によって、車でも約2時間半で行けるようになりました。この記事では熊野古道松本峠を中心に、熊野市の観光スポットの巡り方を紹介します。
熊野市のおすすめ観光スポット
熊野古道 松本峠
松本峠ははじめての熊野古道散策には間違いなくベストな選択肢です。熊野古道らしい美しい石畳が残っており、登り口へのアクセスも便利です。また、頂上の標高が135mと低く、軽装備でも気軽にハイキングを楽しめます。
本格的な熊野古道散策が気軽に楽しめる
そんな松本峠のハイキングコースにはいくつかのバリエーションがありますが、観光とのバランスを考えると、鬼ヶ城センター駐車場をスタートして、東側の登り口から登り、東屋を経て鬼ヶ城センター駐車場の出入口に戻ってくるルートがオススメです。休憩を挟みながら、所要時間は90分〜120分ほどです。
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鬼ヶ城センターは、奇岩の織りなす絶景スポットである鬼ヶ城に併設された熊野観光の拠点で、無料駐車場が完備されています。無料駐車場は松本峠に通じるハイキングコースの出入口とも直接つながっています。
まずはこの出入口ではなく、車で走ってきた国道42号線まで戻り、尾鷲方面に向かって歩いてみましょう。最初の信号を渡ったところが松本峠の登り口になっています。登山口にはハイカー用の杖が置かれており、この杖は鬼ヶ城センター駐車場の出入口で返すことができます。
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登り口を過ぎると、すぐにタイムスリップしたかのような見事な石畳に出会えます。
この辺りの石畳は、江戸時代に整備された石畳で、野面乱層積みという技法で積まれています。石畳を横から見てみると、地面に石をただ並べているのではなく、石垣のように何層にも石が積み重ねられている様子がよく分かります。古くから雨の多かった熊野地方において、豪雨で道が流されないようにするための工夫でした。
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しばらく登っていくと、「松本峠 03/07」と書かれた標識のあたりから、明治時代に積まれた比較的新しい石畳が敷かれた区間が現れます。そこからさらに進み、竹林が見えてきたあたりが松本峠の頂です。
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松本峠の頂上では、妖怪と間違えられて鉄砲で撃たれたという逸話の残るお地蔵様が、いまも静かに旅人を見守っています。峠の入口から頂上までは20〜30分ほど。ここにはベンチがあるので少し休憩するのも良いでしょう。
松本峠から七里御浜を望む東屋へ
松本峠の頂上からは「木本登り口」と「鬼ヶ城 城跡」とに道が分かれています。そのまま峠を下り、なだらかな浜街道へと向かうのが本来の熊野古道のルートですが、ここは、「鬼ヶ城 城跡」の標識が指す方向に左折してみましょう。
東屋から望む七里御浜の海岸線
峠の頂上から林道を10分も歩かないうちに、視界が開け、東屋が見えてきます。この東屋が人気の絶景ポイントで、20km以上にも渡って和歌山県の新宮市までつづく七里御浜の美しい海岸線を一望することができます。
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東屋から先に進むと、かつて山城が立っていたという場所に出ます。いまは城の痕跡が分かるものはほとんどなく、小さなベンチが置かれた広場になっています。
木々の向こうに見える青い海と小さな漁港の風景を眺めながら、階段を下って行きましょう。ほどなく、鬼ヶ城センターの駐車場に戻ってくることができます。松本峠の頂上から駐車場までは30分〜40分ほどです。
松本峠ハイキングの所要時間
- 鬼ヶ城センター駐車場
- 松本峠入口
- 松本峠頂上
- 東屋
- 鬼ヶ城センター駐車場
↓約10分
↓約30分
↓約10分
↓約30分
鬼ヶ城
鬼ヶ城センターの駐車場に着いたらそのまま鬼ヶ城に向かいましょう。
長い時間をかけて形作られた自然の芸術
鬼ヶ城は、波の侵食や風化によって長時間かけて作られた奇岩の織りなす景勝地です。約15mもの高さがある千畳敷という洞窟は、かつて海賊の住処だったという伝説が残っています。
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この千畳敷から先には、断崖沿いを40〜50分ほどかけて歩いていくコースもあります。かなりスリリングなコースなので、高所恐怖症の方はご注意ください(天候等の状況により閉鎖されている場合もあります)。
獅子岩
鬼ヶ城センターの駐車場を出て海岸線を1kmほど西へ向かうと、獅子が海に向かって口を開いているような迫力のある巨岩が目に入ってきます。この岩が獅子岩で、数キロ離れた大馬神社を守る狛犬として位置づけられているそうです。
海に向かって獅子が吼えているように見える
花の窟神社と七里御浜
獅子岩からさらに西へ500mほど進むと、日本書紀に記載され、日本最古の神社とされる花の窟神社があります。神社には社がなく、高さ45mほどの巨大な岩がご神体として祀られています。
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花の窟神社では、年2回、2月2日と10月2日に例大祭が執り行われ、大岩から下ろした約170mもの大綱を七里御浜まで引っ張っていく「お綱掛け神事」が有名です。
丸山千枚田
海沿いの観光スポットを一通り巡ったら、今度は日本一と称される丸山千枚田を目指しましょう。鬼ヶ城周辺からは車で30分ほどの距離にあります。
1,340枚もの田んぼが並ぶ丸山千枚田
丸山千枚田では、高低差160mの傾斜地に並ぶ1,340枚もの小さな田んぼが感動的な絶景を作り出しています。田んぼの数は一時、減少していたものの、地元住民の保全活動によって現在の姿を保っています。鬼ヶ城や獅子岩が自然の生み出した芸術だとすれば、こちらは人々の営みによって作り出された芸術と言えるでしょう。
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熊野グルメ 肴屋しんたく
熊野市での観光を満喫したあとは、良質な漁場として知られる熊野灘の海鮮を堪能しましょう。
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地元民のイチオシはビジネスホテル河上の1階にある「肴屋しんたく」。魚店直営の居酒屋ということもあり、熊野の旬の地魚を気軽に味わうことができます。人気店のため、予約してから訪問した方が良いでしょう。
名古屋から熊野市へのアクセス
車を利用する場合
東名阪自動車道から伊勢自動車道、紀勢自動車道、熊野尾鷲道路を通ると熊野大泊ICまで約2時間30分で到着します。熊野大泊ICから鬼ヶ城センターまでは国道42号線を経由してすぐです。
電車を利用する場合
名古屋駅からJR関西線本線・特急「ワイドビュー南紀」紀伊勝浦行きに乗ると、乗り換えなしで熊野市駅に到着します。所要時間は約3時間。松本峠の東側の登り口の最寄り駅は、熊野市駅からJR紀勢本線で1駅戻ったところにある大泊駅です。
おわりに
熊野尾鷲道路の全線開通によって、名古屋からの距離も一気に近づいた熊野市。松本峠で熊野古道歩きに挑戦しつつ、市内の絶景スポットを巡ってみてはいかがでしょうか。伊勢志摩エリアでのドライブや熊野三山巡りと併せて訪れるのもオススメです。