パートナーや友人と星空を眺めたり、温泉宿に泊まったり、何キロも続く花桃の並木道を歩いたり…。こんなロマンチックな旅は、長野県の阿智村でしか体験できません。この記事では、阿智村で過ごすためのモデルコースや、星空観賞のチケットの予約方法をご紹介します。

「日本一の星空」として有名な長野県阿智村

「日本一の星空」というのは、日本の環境省が人工的な照明の有無や、星の明るさなど、さまざまな科学的観点から評価した結果です。日本で「星が最も輝いて見える場所」となった人口6千人余りの小さな村、阿智村は星空観測の場所として一躍有名になりました。

星空の輝きに加え、阿智村には秘湯「昼神温泉郷」があります。浸かった後の肌がすべすべになる泉質の良さから、女性に大人気です。春に訪れると、日本最大級の花桃の並木道を楽しむこともできます。さらに、一年を通して新鮮な野菜や果物が収穫でき、美味しい食べ物も充実しているため、自然に囲まれたロマンチックな休暇を楽しむのに最適な場所です。

今回は、初めての方にもおすすめな阿智村の1泊2日のモデルコースをご紹介します。夢のような星空と温泉の旅に出かけましょう！

阿智村1泊2日　星空と温泉！モデルコース

【1日目】14:00 採れたてのフルーツを心ゆくまで体験：肥後観光農園

阿智村に到着したら、阿智村名物のフルーツ狩りを体験してみましょう！

昼夜の寒暖差が大きく、果物や野菜に糖分が蓄積されやすい気候のため、阿智村で採れるフルーツは格段に甘いのが特徴です。そのため、この阿智村でのフルーツ狩りは人気のアクティビティとなっています。年間を通してフルーツ狩りをすることが可能なので、どの季節に訪れても大丈夫です。

今回、私が収穫体験に訪れたのは「肥後観光農園」。どこまでも広がるブルーベリー畑は完全無農薬で、収穫後すぐに食べることができます。スーパーで買うと少量でも高価なブルーベリーがなんと食べ放題！

収穫体験をしたい方は、昼神温泉の阿智☆昼神観光局公式ホームページ からオンライン予約も可能です。

16:00 昼神温泉の温泉旅館に泊まり、美人の湯を堪能する

夜に星空を見たいなら、午後は早めに昼神温泉郷に向かい、温泉宿にチェックインして旅館の雰囲気を楽しみましょう。

何百年も続く温泉地とは異なり、昼神温泉郷は発見されてからまだ50年ほど。静かな小川や山に囲まれたのどかな温泉街は、温泉好きの間ではよく知られた秘湯であり、保湿、美白、アンチエイジング効果に優れていることから「美肌の湯」と称されています。

今回選んだ温泉宿「日長庵 桂月」では、檜より丈夫で希少な総高野槙造りの風呂でアンチエイジング効果のあるアルカリ性温泉を堪能し、疲れや悩みを一掃することができました。

広々とした和室は、プライベートな風呂付きもあり、誰にも邪魔されずに二人だけの世界を楽しめます。 夕食は、高級和牛「村澤牛」を中心に、地元の食材を使った会席料理が並びます。

アウトドアを満喫したい方には：星空の下でのキャンプ

一風変わった宿泊施設として、阿智村のキャンプ場を選べば、日本一の美しい星空の下で一夜を過ごすことができます。銀川もみじキャンプ場などのキャンプ場では、キャビンやテントなど、さまざまなオプションを利用することができます。

19:00 ゴンドラで日本一美しい星空が見られる「天空の楽園ナイトツアー」へ

旅のハイライトは、標高1,400mで行う夜の「天空の楽園ナイトツアー」！

光害を避けるため、山の中にある観測場所へ行くには、ゴンドラで15分ほど山を登る必要があります。星に見守られながら、夜の闇を走るゴンドラは、平和で神秘的な星空旅行の幕開けとなります。

観測場所に着くと、芝生の上にマットを敷いて、座ったり寝転んだりしながらイベントの開始を待ちます。時間になると、照明が消され、空には満天の星空が広がり、周囲から感嘆の声が上がります。星の解説、夢のような音楽、映像鑑賞を織り交ぜながら、美しい星空とともに星のショーを楽しむことができます。

山の上は夏でも涼しいので、多くのカップルが芝生に寄り添い、同じ毛布の下で星を見上げています。会場には音楽が流れ、とてもロマンチックなプロポーズの場所となっています。

「天空の楽園ナイトツアー」のイベントチケットの購入方法は、こちら を参考にしてください。

【2日目】6:00 昼神温泉朝市

翌朝は早起きして、昼神温泉の年中無休の朝市を訪れてみましょう。朝市では、地元の農産物、季節の果物や野菜、ジャム、手工芸品などを販売しています。朝市のローカル感を味わいながら、阿智村のお値打ちな果物を味わってみるのもおすすめです。

9:30 昼神キヲスク

旅のお土産もお忘れなく。朝市会場のすぐそばには阿智村のお土産を購入できる「昼昼神キヲスク」があります。地元信州産の日本酒はもちろんのこと、りんごのお酒「シードル」や、温泉グッズ、お菓子など豊富なお土産が揃っています。17時までの営業なので、旅館をチェックアウトする前に立ち寄り、パッキングを済ませ午後のアクティビティに備えましょう。

11: 00 高原と森の美しさを楽しむ：ヘブンスそのはら

次は、前日に「天空の楽園ナイトツアー」が行われた高原のヘブンスそのはらへ再びロープウェーで向かいます。昼と夜に見える景色はまったく違うので、同じ場所とは思えない程びっくりするはずです。

日中に高原を訪れると、夜には入れない湖と森に囲まれた「いわなの森」を訪れることができます。澄みきった湖は神秘的で美しく、山野草や野鳥など日常生活ではあまり見る機会の無いものも目にすることができます。

また、森でありながら、道はきちんと整備され、車椅子でも入れるバリアフリーの施設になっています（車椅子の無料貸し出しを行っている他、介助サービスなど様々なサポートもあります）。

ハイキングが好きな人には、「日本百名山」23座を一度に見ることができる山頂にぜひ行ってみてください。ヘブンスそのはらからリフトとバスに乗り、さらに約30分歩くと、富士見高原の山頂に着きます。山頂からは360度の大パノラマの絶景を楽しんでください。

17:00 星空食堂

阿智村を離れる前に、星空レストランで阿智村の星空を懐かしむのをお忘れなく。 温泉郷に近い「星空食堂」では、スタイリッシュでシンプルな店内にたくさんのプロジェクターが設置されており、幻想的な流星や宇宙の映像に包まれる空間の中で食事を楽しめます。旅の疲れを癒し、阿智村の星空を思い出すにはピッタリです。

「星空食堂」の料理は、ほとんどが地元の食材を使ったもので、「阿智村産の鹿肉のボロネーゼ」など、めずらしい料理も食べられます。

春のプラスαスポット：花桃の里

4月上旬から中旬に阿智村に行くことがあれば、ちょうど阿智村の花桃が満開になるので、是非スケージュールに入れてください。

阿智村には1万本以上の花桃の木が植えられているそうで、1本の木に赤、白、ピンクの花が咲くこの花桃の木が満開になると、色鮮やかなトンネルが何キロも続き、毎年20万人以上の人がこの美しい景色を一目見ようと訪れます。 ぜひこの時期に阿智村を訪れる方は、花桃のトンネルを見てください。

阿智村周辺の観光スポットへのアクセス

阿智村は周辺の人気観光地までとてもアクセスが良いため、阿智村の旅を終えたらそのまま近隣の観光スポットへ向かい、中部の旅を続けるのもおすすめです。

歴史的な街並みが好きな方には、車で50分ほど走ると、中山道随一の人気宿場町である「馬籠宿」があります。

大自然を満喫したい方には、車で20分ほどの飯田市で、峡谷を小舟で進む「天竜川舟下り」がおすすめです。壮大な自然の景観を臨場感たっぷりに楽しむことができます。

そのほか、名古屋（車で約1時間30分）、上高地（車で約2時間）、高山（車で約2時間30分）、アルペンルート入口の立山黒部（車で約2時間）も阿智村から簡単にアクセスできます。

夜間イベント「天空の楽園」のチケット購入方法と注意点

最後に、「天空の楽園」のチケット購入方法を紹介します。

「天空の楽園」のチケット料金は、大人（高校生以上）2,000円、子供（中学生以下）1,000円からで、日付により異なります。

「天空の楽園」のチケット予約は、昼神温泉郷の指定旅館に宿泊して、旅館に手伝ってもらうのが一番便利です。旅館を通して予約するメリットは、オンライン予約の手間がかからないこと、そして、予約できる期間が限定されないこと（オンライン予約は2週間以内しかできない）です。

昼神温泉郷に宿泊する予定がない方は、オンライン予約をご利用ください。購入は2週間前の午前10時より可能です。ただし、申し込み後、天気が悪い等の理由でキャンセル・変更はできないためご注意ください（雨や曇りで星が見えなくても、ガイドによる星の説明や、映像を使ったプログラムなど、別の形で阿智の星を楽しむことができます）。

まとめ

日本一美しい星空の下、大切な人たちと一緒に過ごす時間は、きっと貴重で忘れがたいものになるでしょう。ネオンサインもなく、人工的な観覧車もない、阿智村の大自然だけで十分にロマンチックです。中部地方を旅する際には、ぜひ阿智村に1泊して、この静かでロマンチックな場所を体験してみてはいかがでしょうか。