| セントリップ・ジャパン編集部
【伊勢志摩】伊勢志摩スカイラインとパールロードで絶景ドライブを楽しもう!
2016年のG7伊勢志摩サミット開催で世界から注目を集めた伊勢志摩エリア。美しい海岸線に高級ホテルが立ち並ぶ日本を代表するリゾート地のひとつであるだけでなく、伊勢神宮という特別な神社のある地として、多くの日本人にとって特別な場所でもある。
そんな伊勢志摩エリアには、「伊勢」「鳥羽」「志摩」という、それぞれ異なった魅力をもつ3市がある。この記事では、伊勢と鳥羽を結ぶ伊勢志摩スカイラインと、鳥羽と志摩を結ぶパールロード、2本のドライブウェイを通じて伊勢志摩エリアの魅力に触れる旅を紹介する。
伊勢志摩絶景ドライブの見どころ10選
ドライブの起点は伊勢神宮とおかげ横丁から
伊勢神宮は日本でもっとも格式高い神社であり、約2,000年の歴史をもつ。この特別な神社を詣でる旅は「お伊勢参り」と呼ばれ、江戸時代には定期的に大流行し、社会現象にもなった。当時、江戸(東京)から伊勢神宮へは徒歩での移動であり、数週間〜数ヶ月かけて周辺を観光しつつ伊勢に向かうという、一生に一度の大イベントだった。
今回の伊勢志摩を巡る旅は、そんな伊勢神宮からスタートし、安全に楽しい旅ができるようにお参りしてからドライブに出かけよう。
伊勢神宮には外宮と内宮とがあるが(厳密には伊勢神宮は125(!)もの社の総称)、どちらか一方を訪れるのであれば、内宮をおすすめする。広大な境内は木々の一本一本にいたるまで美しく整備されており、ここが特別な空間であることを人々につよく印象づける。
内宮の周辺には「おはらい町」「おかげ横丁」という鳥居前町が広がり、昔ながらの町並みが再現されている。この辺りでは江戸時代のお伊勢参りの雰囲気を感じつつ、カジュアルに食べ歩きを楽しもう。
伊勢志摩スカイライン、伊勢から鳥羽へ
神宮参拝を終えたら最初のドライブウェイ、「伊勢志摩スカイライン」の入口へと向かう。伊勢志摩スカイラインは伊勢と鳥羽を結ぶ全長16.3キロの有料道路だ(通行料は1,270円)。入口は伊勢神宮から近く、内宮の駐車場から5分もあれば到着する。
入口を抜けると山頂の展望台まで上り坂が続き、その後は鳥羽に向かって下り坂となる。とくに下り坂に入ってからの景観が素晴らしい。美しい海岸線と海に浮かぶ小島が一望できる。次のコーナーを曲がるとどんな景色が待っているのかワクワクする。もちろん、対向車にはくれぐれも注意してほしい。
伊勢志摩スカイラインのおすすめ立ち寄りスポットは2ヶ所。山頂にある「朝熊山頂展望台」とその手前にある「金剛證寺」だ。
朝熊山頂展望台
朝熊山頂展望台は伊勢志摩スカイラインのちょうど中間地点あたりにある。展望台周辺には散歩道が整備されており、所々に置かれたベンチから、伊勢湾の絶景を眺めることができる。フォトジェニックなスポットとして知られており、赤いレトロな郵便ポストと足湯が人気だ。
金剛證寺
金剛證寺は朝熊山展望台のすぐ近くにある。6世紀後半に建てられたという古い寺院で、鬼が来るとされた方角(「鬼門」)から伊勢神宮を守ってきた。江戸時代のお伊勢参りの際には、伊勢神宮と併せて参詣されたそうだ。
赤い橋が架かる蓮の池のある庭園が美しい。奥の院に続く道には5〜6メートルの木製の塔(「卒塔婆」)が立ち並ぶ。その光景をはじめて見るとちょっとビックリするかもしれない。
パールロード、鳥羽から志摩へ
伊勢志摩スカイラインを出た後はもう一つのドライブウェイ、「パールロード」を目指そう。伊勢志摩スカイラインの出口からパールロードの入口にある麻生の浦大橋までは、約10キロの距離があるが、一本道なので迷う心配はない。
この区間には鳥羽水族館やミキモト真珠島などの人気スポットもあるので、気になる施設があればドライブ途中に立ち寄ってみても良いだろう。
パールロードは鳥羽と志摩を結ぶ23.8キロのドライブウェイで、入り組んだリアス式の海岸線を縫うように進むルートがドライブ好きにはたまらない。無料で通行できるのも嬉しい。
麻生の浦大橋
パールロードのスタート地点には空と海に挟まれた美しい白い橋が架かっている。手前の海にいくつも浮かんでいるのは、この辺りの名産である牡蠣を養殖するための筏だ。
この麻生の浦大橋の周辺には、牡蠣を食べることができる牡蠣小屋が立ち並んでおり、牡蠣の旬である秋〜冬には一人2,000円〜3,000円ほどの金額で食べ放題を実施している。食べ放題ではないが、夏場も岩牡蠣という別の種類の牡蠣を食べることができる。こちらも美味しい。
鳥羽展望台
パールロードにはいくつかの展望台があるが、海抜163メートルの高台にあり、もっとも眺望が良いのが鳥羽展望台だ。
鳥羽展望台は日の出を眺める絶好のスポットとして知られ、条件が揃えば数百キロ先の富士山まで見通すことができる。手前には深い緑が広がり、その先には複雑に入り組んだリアス式海岸、さらに先には水平線が広がっている。海から吹き寄せる風も心地よい。
展望台にはレストランもあり、地元食材を使ったオリジナルバーガーなどが食べられる。
面白展望台〜相差〜的矢湾大橋
鳥羽展望台からさらに進むと、面白展望台がある。リニューアルされたばかりであり、トイレなどの施設も新しい。このあたりは両サイドの緑が深く、気持ち良いドライブが楽しめる。ただし、野生動物の飛び出しも多いので注意して進もう。
鳥羽に来たならば、パールロードを離れて海女さんに会いに行こう。海岸線まで出ると相差という町に着き、海の幸を食べながら海女さんと交流することもできる。
パールロードに戻り、もう少し進むと赤い橋が見えてくる。この橋を渡るとパールロードでのドライブも間もなく終りを迎える。橋の手前にも展望台があり、海岸線と赤いアーチ型の鉄橋を写真に収めることができる。
横山展望台
パールロードを降りてからつぎに目指す横山展望台までは7〜8キロの距離だが、少し細い道を進むことになる。ナビを頼りに慎重に運転して欲しい。
横山展望台は伊勢志摩エリアを訪れるものがあれば絶対に訪れるべき場所だ。ミシュラン・グリーンガイドジャポンで一つ星を獲得している。標高140メートルの高台にある展望台からは約60の島々が浮かぶ英虞湾を一望できる。一生忘れられない旅の光景になるだろう。
駐車場から展望台までは木製スロープが整備され、バリアフリーとなっている。展望台ではカフェ「ミラドール志摩」も営業しており、サンドイッチやソフトクリームなど、軽食を食べることができる。
賢島エスパーニャクルーズ
横山展望台からの絶景を堪能したあと、今度は展望台から眺めていた英虞湾へ飛び出してみよう。
まずは橋を渡って賢島に向かう。
賢島は英虞湾に浮かぶ最大の島で、1951年の志摩観光ホテル開業以降、志摩の観光の中心であり続けてきた。この賢島から気軽に英虞湾周遊を楽しみたいのであれば、16世紀大航海時代のガレオン船を模した遊覧船「エスペランサ」に乗船すればよい。英虞湾を50分かけて一周する。途中、養殖真珠工場に10分ほど立ち寄り、真珠の核入れ作業を見学することができる(エスペランサの乗船料は大人(中学生以上)1,700円、小人900円)。
船は3階建てで、2階の一部スペースのみ別料金の特別席となっている(特別席の利用は乗船料とは別に一人400円)。船は波の穏やかな内海を航行するため、ほとんど揺れを感じることはない。天気が良ければ3階のデッキ席で潮風を感じるのがおすすめだ。
志摩地中海村
「エスペランサ」でのクルーズ中、英虞湾を取り囲むように点在するラグジュアリーなホテルやユニークな施設の数々を船から眺めることができる。その中でもひときわ目を引くのがオレンジ色の屋根が立ち並ぶ志摩地中海村だ。
志摩地中海村は地中海の町並みを再現したリゾートホテルであり、英虞湾の青い海を背景に、青空と白い壁とカラフルなレンガのコントラストがとても美しい。敷地内はフォトジェニックなスポットで溢れている。
基本的には宿泊者のための施設だが、日帰りでも利用することができる(入村料は大人(中学生以上)500円)。レストランやカフェのほか、クルージングやモザイクタイルを使ったコースター作りなどの体験も充実している。
注目の新スポットVISONを満喫
旅の最後は、2021年7月にオープンしたばかりの注目スポット、VISONを目指そう。志摩方面から移動し、伊勢ICから伊勢自動車道に乗って向かう場合、「多気ヴィソンスマートIC」を利用すれば直接VISONにアクセスすることができる(ETC車載の車に限る)。
VISONは54haの広大な敷地に、地元の野菜や魚介を扱うマルシェ、レストラン、ホテルなどが立ち並ぶ複合施設だ。ホテルは山の傾斜を利用した特徴的な階段状の建物になっている。
VISONには「本草湯」という薬草を使った温浴施設も併設されており、ホテル宿泊者も利用できる。ホテルでゆっくり休み、伊勢志摩ドライブで溜まった心地よい疲れを癒そう。
おわりに
伊勢志摩スカイラインとパールロードを利用し、3つの絶景展望台と伊勢志摩エリアのフォトスポットを巡るドライブ旅。この記事で紹介したコース、駆け足で巡れば1日で回り切ることもできるが、伊勢志摩エリアには記事で紹介しきれなかった観光スポットや魅力的な宿泊施設がまだまだいっぱいある。もし日程に余裕があり、数日かけてゆっくり滞在できるのであれば、きっと日本での素晴らしい休日体験となるだろう。