| セントリップ・ジャパン編集部
冬の金沢へ行こう!
北陸の歴史ある城下町、金沢。東京からも中部からも交通の便が良く、美食に溢れていて、なおかつ1~2日もあればさくっと廻れるコンパクトさが魅力の観光地として、一年を通して多くの旅行客で賑わいます。そんな金沢への旅で、あえてオススメしたいのが冬。せっかくの海外旅行に寒いところは…と尻込みは不要。なぜなら真冬でも気温が氷点下になるほど寒くなることは稀で、しかし時々降り積もる雪に備えた「雪吊り」や「土塀こも掛け」といったこの土地ならではの冬の景色と、カニや甘エビなど旬の食材をめいっぱい味わうことができるからです。
オススメの観光スポット
兼六園と金沢城公園
金沢市の中心部にある兼六園は、日本三名園のひとつに数えられる庭園。広い園内を自由に回遊しながら四季折々の自然の美しさを愛でることができます。春には桜や梅、秋には紅葉、そして冬には「雪吊り」が壮観です。
「雪吊り」とは、この地域特有の湿った雪の重みで木の枝が折れてしまわぬよう、柱と縄を使い枝を補強するもので、毎年11月から12月中旬にかけて熟練の庭師たちによって数百本にも及ぶ松やツツジに縄が張られます。こうして円錐型に美しく雪吊りされた木々に薄っすらと雪が降り積もった日の夜のライトアップでは、日中とは一味違う幻想的な空間が現れます。「雪吊り」は3月中旬までみることができます。
兼六園のすぐそばに位置する金沢城公園も、金沢の文化と伝統を感じられるスポット。オリジナルを忠実に復元した見張り場「菱櫓」や監視塔の役割を果たしていた「橋爪門続櫓」、武倉庫として使われた「五十間長屋」をはじめ、石垣や庭園など見どころはたくさんあります。
また、午後9時までの夜間開園時間に行われるライトアップでは、12月から2月の期間だと冬や新年をテーマとした灯りを楽しめます。
長町武家屋敷跡界隈
金沢城公園から約10分歩くと、城下町らしさの残る長町武家屋敷跡に着きます。ここは江戸時代の武士が暮らしていた武家屋敷が立ち並ぶエリアで、どの屋敷も手入れが行き届いた土塀に囲われています。
毎年12月になると、この土塀を雪や凍結によるひび割れから守るために、職人たちが叩いたわらでむしろを編み、それを土塀の軒下から吊るして塀を覆う作業が行われます。これは「薦がけ」と呼ばれるもので、「雪吊り」にならぶ金沢の冬の風物詩です。細い石畳を歩きながら、冬にだけ見られるこの風景をぜひ味わってくださいね。「薦がけ」も3月中旬まで見ることができます。
ひがし茶屋街
金沢観光で外せないひがし茶屋街も、雪景色となれば一段とその風情を増します。レンタル着物を羽織り、広見と呼ばれる少し道幅が広がった場所から風情ある町並みをバックに写真を撮れば、インスタ映えはもちろんのこと、一生の思い出となるでしょう。この辺りは浅野川沿いや橋の上での写真撮影もおすすめです。
ひがし茶屋街では、カフェに立ち寄り、金箔をまとったソフトクリームや和スイーツでエネルギーを補給しつつ、お土産を探すのもいいでしょう。
ひがし茶屋街の裏手からすぐのところにある卯辰山も是非立ち寄りたいスポット。ここから一望する金沢市は、黒瓦とその上に降り積もった白い雪のコントラストがまるで版画のような美しさ。山といっても標高は140メートルほどなので、気軽に散策できますよ。
冬のお勧めグルメ
冬の金沢といえばズワイガニ。その中でも石川県で水揚げされたものがブランドものの「加能ガニ」で、目印は脚に付けられた青いタグです。小ぶりなメスは「香箱ガニ」と呼ばれていて、こちらは11月から12月下旬までの短い期間にだけ獲られる貴重な食材です。
冬は甘エビや寒ブリも美味しい季節。金沢駅から歩いて10分ほどのところにあり、300年以上に渡って金沢市民の食生活を支えてきた近江町市場では、それらの新鮮な海の幸がてんこ盛りの海鮮丼やお寿司を堪能できます。市場に立ち寄った際は、近江町市場周辺に冬の間だけ登場する雪吊りに金箔を施した金箔雪吊りモニュメント「金箔きらら」をお見逃しなく。
金沢ならではのおでんも寒い日にはもってこい。石川県はおでん屋の軒数が日本一とも言われるほどおでん好きの県として知られていて、そのおでんは一年中食されていますが、冬には前述の「香箱ガニ」も「カニ面」と呼ばれる具として登場します。きれいに重ねて並べられた、つぶつぶの卵、カニみそ、カニ身を、出汁と一緒に味わいながら、地酒を嗜めば、最高の夜になること請け合いです。 その他、金沢のおすすめグルメについては、 こちらの記事でも紹介しているので興味のある方は是非読んでみてくださいね。
宿泊
金沢は日帰り旅行も可能なコンパクトな観光地ではあるものの、おでんと地酒で締めるとなると、やはり泊まってゆっくりしたくなります。そんな方にぴったりなのが、金沢市内から車で20分ほどの緑豊かな山間にある湯涌温泉という名湯。 ここは加賀藩御用達だった歴史ある温泉で、情緒ある9軒の旅館からお好みの一軒を選んで、冷えと旅の疲れを癒さないのはあまりにもったいない!
金沢市内への交通アクセス
東京から金沢への最も効率的かつ簡単な交通手段は北陸新幹線。東京駅からおよそ2時間30分で金沢駅に到着します。中部国際空港から金沢までは、車で3時間半ほどですが、一旦名古屋に出て、そこから高速バス、または新幹線や特急しらさぎを利用するという手段もあります。 昇龍道パスを使って名古屋から金沢に行く方法など、詳しいアクセスは こちらの記事 を参考にしてくださいね。
まとめ
ここでは冬の金沢の魅力をご紹介しました。2022年10月からは新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が大幅に緩和されて、日本への入国もしやすくなり、観光客も徐々に戻りつつあります。この記事でご紹介したオススメの数々をお好みのプランに組み入れて、ぜひ冬の金沢を訪れてくださいね!