| セントリップ・ジャパン編集部

温泉滞在とあわせて楽しみたい下呂のおすすめ体験アクティビティ

日本三名泉のひとつに数えられ、中部エリアを代表する温泉地として知られる下呂温泉。賑やかな温泉街でショッピングを楽しみ、温泉にゆっくりと浸かった翌日はどのように過ごしたらいいでしょうか?
この記事では、温泉滞在とあわせて楽しみたい下呂市内のおすすめ体験アクティビティをご紹介します。

小坂の滝めぐりを優雅に楽しむカフェトレッキングツアー

まず、ご紹介するアクティビティは飛騨小坂エリアのカフェトレッキングツアーです。
小坂エリアは、古くから日本人の山岳信仰の対象となってきた御嶽山の麓にあり、噴火を繰り返してきた御嶽山によって変化に富んだ地形が作られました。
小坂といえば「滝の町」として知られ、その数は日本一とも言われています。なんと200以上の滝があるとのこと。そんな滝のいくつかを巡り、森の中でカフェを楽しむツアーを地元のガイド会社が運営しています。

ツアーのコースについて説明してくれるガイドの熊﨑さん
三ツ滝にかかる鉄製の橋は巨大な遊具のよう

この日の取材でガイドを務めてくれたのは、ガイド会社の代表でもある熊﨑さん。経験豊富なネイチャーガイドで、英語も堪能です。

ツアーはまず巌立峡(※訳注:がんだてきょう)からスタートするのですが、まずはその巌立峡の迫力にびっくり!
巌立峡は約5万4千年前の溶岩で形成された溶岩流の断面です。目の前に立つと、巨大な岩のスケールとその奇岩を覆い尽くす木々に圧倒されました。

巌立峡:自然の作り出した景観の壮大さにびっくり!

がんだて公園の駐車場から歩いてすぐのところに最初の見どころである三ツ滝があります。三ツ滝周辺は鉄製の橋や階段が複雑に組まれており、自然のなかを巨大な遊具で遊んでいるような感覚が味わえます。

ツアー前半の見どころとなる三ツ滝
日本語の文字通り「三ッ」の滝が連なっている

カフェトレッキングツアーでは、この三ツ滝から更に進み、少し急な斜面を登っていきます。この間、動物の痕跡をたどりながら、ガイドさんが森に生息している動物の生態や、不思議な地形、小坂を含む飛騨地方の歴史など、クイズを交えながら興味深く解説をしてくれます。

熊よけの鐘、変わった形をしていますが、その正体は!?
木立の中の気持ちの良いハイキングがつづく

カフェトレッキングの名前の通り、このツアーは単なる自然散策ではなく、「持ち運びのできるカフェ」がコンセプトになっています。

しばらく散策し、心地よい汗をかいたところでカフェタイム。木々に囲まれ、温かい日差しが差し込むスペースに着くと、ガイドさんがハンモックを設置し、コーヒーとお茶菓子を提供してくれます。

森の中のハンモックから見上げる景色は最高!
カップには「Life is ASOBI」の文字が記されている

この場でハンモックに揺られて何もしない贅沢な時間を過ごすもよし、さらに森の奥を散策するもよし。1日1組限定のツアーなので、その日の気分や天候などの条件に応じて柔軟にツアーをアレンジすることが可能です。

この日はさらに森の奥へ。滝めぐりコースの最大のヤマ場である「あかがねとよ」と「唐谷滝」を目指しました。

コース途中のガイドさんとのコミュニケーションもツアーの楽しみ

「あかがねとよ」は落差14mの滝で、溶岩が滝の水に削られて銅(日本語で「あかがね」と呼ぶ)のように見えることからこの名が付けられたようです。季節によって水量が増減するとのことで、この日は水の流れはありませんでした。それでも一年を通して滝壺の水が枯れることはないそうです。不思議ですね。

あかがねとよ、あまりの水の透明度に吸い込まれそうになる

あかがねとよのすぐ隣にあるのが唐谷滝です。こちらは勢いよく流れる水量が印象的。滝によって削られた岸壁の柱状節理が美しく、タイミングが良ければ滝にかかる虹も見られるそうです。

迫力の大水量の唐谷滝、水の力ってすごい!

森の中のカフェタイムを挟みながら、いくつかの滝を巡り、5kmほどの周遊コースをのんびりと時間をかけて散策するカフェトレッキングツアー。日本の自然の豊かさを存分に感じることができ、時間を忘れてリラックスすることができました。

コース上には滝以外にも見どころがたくさん
美しい吊り橋を渡るとゴールはもうすぐ

ツアーは4月〜5月と10月〜11月に開催されています。ガイド料は一人8,800円で催行人数は4人までとなっています。申込みは下記サイトで受け付けています。

金山の筋骨めぐりツアー

つづいてご紹介するのは飛騨金山エリアのアクティビティです。金山は下呂の南部に位置し、かつては4つの藩の境目に位置する交通の要衝にある宿場町として、大いに栄えたそうです。

町の中心部にある鎮守山頂のお堂
伝説の両面宿儺の像が町を見守る

金山のほぼ中心には鎮守山という小さな山があり、そこには両面宿儺の像が飾られています。両面宿儺は、両面に顔があり、空を飛んで移動したとされるこの地方の伝説の豪族で、住民を守る優しい英雄として祀られています。

ガイドさんが歩いているところは「公道」です
かつての町の賑わいを伝える白黒写真

この鎮守山の眼下に広がる金山で楽しめるのが「筋骨めぐりツアー」です。このツアーでは、みなさんのイメージする日本とはちょっと(だいぶ?)違う、とってもディープな日本を体験することができます。

写真に見える細い筋骨が住民の生活動線となっている
こんな階段も筋骨!

そもそも筋骨めぐりの「筋骨」とは、表の街道を避けて集落の住民が近道として使ってきた公道のことで、住民の日常に欠かせない生活動線でした。

このような道はかつて日本の至るところで見られたのですが、都市化が進む中でこのような曖昧な空有はつぎつぎと削られてしまったため、現在、この金山ほどの規模で筋骨が残り、使われているエリアはほとんどないそうです。

かつての賑わった町の雰囲気を伝える街道沿いの様子
レトロな井戸水のポンプはいまでも使われている

この金山の町に入って感じるのは、なんといっても半世紀前の日本にタイムスリップしたような懐かしい雰囲気。巨大な映画のセットのなかを歩いているようです。

こんな建物の間も筋骨!
いまは閉館してしまった銭湯、美しいタイルが張り巡らされている

そんなノスタルジックな雰囲気に浸っている間に、もしかしたらあなたは道に迷ってしまうかもしれません。外からの訪問者は、そこが通行して良い道なのか、それとも通行できない私有地なのかを判断することが難しく、さすがのグーグルマップもこの筋骨までは役に立ちません。

ジブリの名作『ハウルの動く城』に似ているとして人気が出ている

そんな不思議な世界に迷い込んでしまった感覚を思う存分楽しめるのが、金山の筋骨めぐりツアーです(もちろん筋骨を知り尽くしたガイドさんが案内してくれるので安全です)。

ツアーの所要時間は1〜2時間ほど。ガイド料金は1〜6名までが2,000円で、以降、人数が増える毎に300円が追加でかかります。残念ながらガイドは日本語のみの対応ですが、ここでしかない貴重な体験ができるので、関心があればぜひ下記Webサイトを覗いてみてください。

おわりに

この記事では、下呂市内でおすすめの2つのアクティビティをご紹介しました。今回紹介した小坂も金山も、下呂温泉街から車で30分〜1時間程度で行くことができます。温泉滞在とあわせてぜひ訪れてみてください。

同じく下呂市内にある萩原エリアのサイクリングについては下記記事もご参照ください。

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