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【愛知県西尾市】東幡豆のトンボロ干潟とメールブリヤンと和カフェ たらそ

愛知県西尾市にある東幡豆海岸は、トンボロ現象が現れる自然が生み出す神秘の絶景スポットとして人気を集めています。この記事では、ますます注目が集まるトンボロ干潟の楽しみ方を、近くに開店したばかりのおしゃれカフェ「メールブリヤン」や同じく西尾市の吉良ワイキキビーチにある「和カフェ たらそ」と共にご紹介します。

幡豆のトンボロ干潟

普段は海の向こうに見える島。干潮時になると海の中からひとすじの道が現れ、向こう岸まで歩いて渡ることができる……。かのモン・サン・ミッシェルで有名な神秘のトンボロ現象が、日本でも見られることはご存知でしょうか?

東幡豆海岸側から望むトンボロ干潟と前島

愛知県西尾市の東幡豆町。潮干狩りスポットとしても有名な東幡豆海岸の沖合には「前島」という無人島があります。海岸から前島までの距離は片道470m。普段は海によって隔てられていますが、干潮時の数時間のみ、干潟を伝って前島まで歩いて渡ることができます。

※東幡豆海岸に設置されていた円形のオブジェは2023年7月時点では撤去されています。

潮が引いて前島への道がつながり始める

一日のうち数時間だけ現れる神秘の道、トンボロ。かつて地元の人々の間では、トンボロを見ると良いことがあり、トンボロを歩いて渡り切ると願いが叶う、と言われていたそうです。

潮が引ききると波状の地形が現れる

波が引き、干潟が姿を現すと、砂が波状に削られためずらしい模様を目にすることができます。急に海水が無くなってしまったので海の生きものたちも大慌て。いそいそと海水の方に引っ越しを開始する蟹や貝など、干潟に棲息する生きものたちの観察もトンボロ歩きの楽しみのひとつです。

干潟の生きものたちも大忙し

トンボロを渡った先にある前島には、「はずの鐘」が設置されています。鐘を鳴らせば、あなたの願いも叶えられるかもしれません。

前島側に設置された「はずの鐘」

前島と東幡豆海岸を歩いて行き来ができるのは潮が引いているわずか数時間のみ。「無理して前島に渡ったら潮が満ちて帰れなくなった」なんていうことが無いようにお気をつけください。

道の半分くらいまで海中に沈んだ頃。道の両側から打ち寄せる波の音が心地よい

取材に伺った日の干潮時刻はお昼の12:30頃。トンボロの見頃としては、島への道が薄っすらっと繋がっている時間帯で、12:30が干潮時刻の場合、10:30~頃と、14:00~頃がベストなタイミングでした。潮の満ち引きで現れる自然現象ですので、潮見表を確認の上でタイミングを見計らって訪れるようにしてください。

夕暮れ時、潮が満ちて干潟はほとんど沈んでしまった

なお、漁場保護の観点から、トンボロエリアへの立ち入りは有料(小学生以上、1名300円)となっています。制限区域の外からトンボロを見るのは無料でできますが、トンボロを渡るためには有料エリアに立ち入る必要があります。

東幡豆海岸から眺める夕陽の絶景

取材当日の夕方17:00頃。すっかり潮が満ちてトンボロは消えてしまっていますが、東幡豆海岸は穏やかな三河湾の向こうに沈んでいく夕陽を眺める絶景スポットでもあります。例年3月中旬〜8月中旬頃までは、干潮時に潮干狩りをすることもできますので、トンボロ歩きに限らず、色々な楽しみ方を見つけてください。

メールブリヤン/MerBrillante:東幡豆に誕生したおしゃれカフェ

幡豆のトンボロ干潟の周辺には食事ができる場所が少なかったのですが、2022年2月、東幡豆漁業協同組合のすぐ隣に、東幡豆の穏やかな海面を眺めながら食事がいただける素敵なカフェが誕生しました。

海辺にたたずむおしゃれな外観
入ると眼前に広がる景色に目を奪われる

カフェの名前はフランス語で「輝く海」を意味するメールブリヤン。東幡豆エリアで80年近く営業を続けている老舗の魚卸店、「カネカ神田」の直営カフェで、この地に建っていた古い銀行をリノベーションして開店したそうです。

店内に入るとオープンキッチンの向こうに美しい海面が広がる絶景のロケーション。こんな素敵な景色を眺めながら、毎朝セリで仕入れた獲れたての魚を使ったさかな屋さんならではのこだわりの料理をいただくことができます。

生マグロとしらすの紅白丼
本日のお刺身+ごはんみそ汁セット

ちなみに、元銀行の施設ということもあり、1階には巨大な金庫の扉が残されています。扉を開けてみると2階に続く階段が……。その先の光景はぜひお店を訪れて御覧ください。

銀行で使われていた本物の金庫の扉
窓からは海面に島々が見渡せる

メールブリヤンの営業時間は11:00〜17:30まで(ランチのL.O.は13:30、カフェのL.O.は16:30)。トンボロ干潟まで徒歩数分の距離にありますので、干潟が現れる時間を待ちつつ、こちらでおしゃれなランチ&カフェタイムを過ごすのもおすすめです。

和カフェ たらそ

最後に、東幡豆エリアからクルマで15分ほどのところにある「和カフェ たらそ」をご紹介しましょう。

たらそは、西尾市の吉良ワイキキビーチを見下ろす高台に立ち、鉄筋コンクリート造りの美しい建物と、そこから眺める三河湾の絶景が人気のカフェです。すでに、中部・東海エリアを代表するSNS映えカフェとして有名で、山奥のちょっと不便なロケーションにも関わらず、平日でも多くのお客さんで賑わっています。

緑化された屋根と青い海のコントラストが美しい入口
階段を降りていくとカフェスペースが広がる

素敵な建物や眺望に目を奪われがちになりますが、「女性一人でもくつろげる癒やしの空間」をコンセプトにしているたらそ。提供されるドリンクやお料理もおしゃれで魅力的なものばかりです。

人気のテラス席、天気のいい日はぜひここで
開放的な窓があり、室内からでも景色は楽しめる

朝の時間帯であれば、ドリンク料金プラス550円でいただけるモーニングセットがおすすめ。もちろん、西尾のカフェならではの本格的なお抹茶をいただくこともできます。

モーニングセット
西尾のカフェならではの本格的なお抹茶

たらその平日の営業時間は朝9:00からその日の日没時間まで(L.O.は閉店時間の30分前まで)。土日は21時まで営業しており、夜の時間帯にはライブを開催していることもあります。時間帯によって雰囲気もメニューも変わるので、ぜひ様々なタイミングで訪れてみてください。

おわりに

名古屋から幡豆のトンボロ干潟まで、公共交通機関を利用する場合、名鉄名古屋駅から名鉄本線に乗り、吉良吉田駅で名鉄蒲郡線に乗り換え、東幡豆駅で下車してください(所要時間は乗り換えも含めて1時間20分ほど)。東幡豆駅からすぐのところに東幡豆漁業協同組合とメールブリヤンがあります。少し離れたところにあるたらそや西尾市中心部の観光と併せて巡る場合にはクルマでの訪問も便利です。

名鉄蒲郡線の東幡豆駅
蒲郡線の車窓からは海が見える区間もある

東幡豆エリア以外の西尾市観光の楽しみ方については、佐久島を中心に西尾市の巡り方を紹介した「抹茶スイーツ体験&アートの島「佐久島」散策」や市街地エリアのおすすめ観光スポットをまとめた「三河工芸ガラス美術館と西尾市内の定番観光スポットを巡る」なども併せてご覧ください。

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