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Hannah Tsai
名古屋から約20分! 歴史と現代文化が一堂に会する文化都市・岐阜市
歴史的な伝統と近代的な文化が共存する美しい街、岐阜県岐阜市。
450年以上前、戦国武将の織田信長が天下統一を目指す拠点を構え、城下町として栄えたこの地には現在、歴史にゆかり深い建造物はもちろんのこと、世界的建築家の伊東豊雄氏が手がけた日本一美しい図書館「みんなの森 ぎふメディアコスモス」がある。
目次
日本を代表する戦国武将、織田信長にゆかりの深い岐阜市
岐阜市は名古屋から非常に近く、名古屋駅から路面電車で20分ほど。
岐阜市の見所を語る上で、織田信長の存在は重要だ。どの場所も、歴史を辿ると彼とゆかりのある場所になっている。
織田信長が天下統一の拠点として攻略した岐阜城に始まり、賓客をもてなした長良川での鵜飼。さらに、信長を支える商業の拠点となった、「長良川」の川湊であった「川原町」。
岐阜の街には歴史と文化が残っており、一日かけてゆっくり散策する価値がある。セントリップジャパンでは、岐阜市の見どころを紹介するので、ぜひチェックして欲しい。
川原町:昔ながらの小京都
川原町は、岐阜県の重要な川である長良川沿いにある、江戸時代には木材や紙の商人が集まる「川湊」として賑わった古い町並みだ。 約120年前の古い木造の町家がそのまま残っていて、静かな小京都のような雰囲気を感じる。 代々受け継がれてきた老舗だけでなく、最近では町家を改装した古民家カフェも多く、伝統と現代が絶妙なバランスで融合した、文化性豊かな魅力的な場所となっている。
着物をレンタルして川原町へ
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川原町は、木造の日本建築が並ぶ古い町並みだけでなく、町に沿って流れる長良川や、石垣など様々な風景を見ることができる。昔ながらの雰囲気はもちろんのこと、人混みも少ないため、着物に着替えて写真を撮るには最適だ。
ORGAN KIMONOのヴィンテージ着物
川原町のレンタル着物店「ORGAN KIMONO」では、一般のレンタル店ではあまり見ることがない貴重な20世紀初頭の鮮やかな色柄の「アンティーク着物」を取り扱っている。
ORGAN KIMONOの浴衣での体験。
夏の浴衣はアンティークではないが(浴衣は着物ほど長持ちしない)、日本の伝統的な「染め」「絞り」の手法で作られており、通常のプリントでは出せない優しい色のぼかしが施されている。ORGAN KIMONOで着物をレンタルすると、3万円から5万円くらいする手作りの和傘を特別価格1,000円でレンタルすることもでき、全体が華やぐのでおすすめだ。
着物体験は、「ORGAN KIMONO」公式サイト での事前予約が必要(日本語版のみ)。
川原町の特徴のある店
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岐阜提灯や美濃和紙のピアスなど、岐阜の伝統にまつわるモダンなデザイングッズを扱う「長良川デパート」など、川原町には個性的なお店がたくさんある。
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古くから長良川の水運によって、良質な和紙や竹などの和傘の材料が川原町に運ばれ、岐阜は日本一の和傘の産地となった。
和傘の専門店「岐阜和傘casa」は、徐々に失われつつある和傘の伝統を残そうと、職人たちによって作られたお店だ。 一本一本、2ヶ月以上かけて手作りされた貴重で繊細な岐阜の和傘を、ぜひここでご覧になってほしい。
1300年の歴史を持つ伝統漁法「鵜飼」を見に長良川へ
漁師と鵜
川原町の入り口は「岐阜市鵜飼観覧船」の発着場になっている。 「鵜飼」とは、日本で1,300年以上前から行われている漁法で、漁師(鵜匠)が手縄で鵜という鳥を操り、水中に潜らせて鮎を捕らえ、吐き出すというものだ。 長良川は、日本で12カ所しかないこの技法を今も行っている場所の一つである。またその中でも、宮内庁式部職という職位を与えられ、皇室に鮎を収めているのは岐阜市を含め2カ所のみである。
実際に鵜飼を見たい方は、夕方に出航する「岐阜市鵜飼船」で鵜匠の漁を観覧することができる。 乗船券は3,500円程度で、事前予約をお勧めする。
100年以上の歴史を持つ「玉井屋本舗」の登り鮎
岐阜市のお土産も鵜飼の影響が大きく、名物「登り鮎」は、鮎をモチーフにした可愛らしい見た目で、適度な甘さと弾力のある餅の皮に包まれていて美味しい。川原町にある創業100年の老舗「玉井屋本舗」が考案したといわれるこの「登り鮎」は、繁忙期には1日1万個以上売れるという。
SNSで話題の焼き菓子「下剋上鮎」
また、「玉井屋本舗」で人気なのが、鵜飼から発想を得た「下剋上鮎」。通常鵜飼では、鵜が鮎を噛むが、この焼き菓子では鮎が鵜を嚙む逆の状態になっており、「逆転勝ち」の縁起をかついだプレゼントにもピッタリだ。鵜飼を見る際のおやつとして購入するのも良いだろう。
中部地方を360度見渡せる金華山と岐阜城
川原町から10分ほど歩くと、岐阜市のランドマークである金華山の麓に着く。 山頂には有名な岐阜城があり、山麓には岐阜公園がある。
現在、市民の憩いの場として整備されている岐阜公園だが、かつては信長によって造られた山水画のような豪華な庭園や居館があったとされている。広大な園内には、インフォメーションセンターやちょっとした日本庭園、本格的な抹茶や和菓子を味わえる茶室「華松園」もあるので、時間があれば園内を探索するのも楽しいだろう。
岐阜城に登るには、2つの方法がある。
一つ目は、岐阜公園から発着する「ぎふ金華山ロープウェー」を使う方法だ。山頂駅までロープウェーで約4分、山道を約8分歩く道のりだ。登りながら岐阜市街を一望できる。
もう一つは、約1時間かけて山を登る方法だ。ハイキングコースが充実しており、標高もわずか329メートルほどなので、初心者でも気軽に挑戦できる。
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岐阜城は入場料200円で、最上階の360度展望台からは、日本アルプス、名古屋駅、犬山城など、中部地方の主要なランドマークが一望できるのが最大の魅力だ。当時の城主の眼差しを、その目で確かめてみてほしい。
岐阜城からの夜景
毎年夏季など期間限定で、本来は夕方までの開館である岐阜城の開館時間を夜間まで延長する。また、それに合わせ運行するぎふ金華山ロープウェーも夜間まで延長するナイター運行がある。高台から360度の夜景を楽しむことはもちろん、鵜飼の季節には長良川の鵜飼の灯りを見下ろすことも可能だ。
(特別期間については、下記「アトラクションのご案内」をご覧ください。)
車での移動なら、車でしか行けない夜景スポット「金華山展望公園」で岐阜の美しい夜景を楽しむのもおすすめだ。(ドライブウェイ開放時間7:00~21:00)。
神社にも親子関係がある!? 岐阜の三社:伊奈波神社、金神社、橿森神社
日本の神社文化が好きなら、それぞれ祀られている神が「親子関係」を持つ3つの神社、伊奈波神社(父)、金神社(母)、橿森神社(子)をお見逃しなく。 岐阜市の三社参りは、江戸時代から行われている習慣で、三社をすべて参拝すると、家族が幸せになると言われている。
3つの神社にはそれぞれ個性があるので、岐阜駅に一番近い「金神社」からスタートし、2番目「橿森神社」、3番目の「伊奈波神社」と順番に移動していこう。
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金神社に到着してまず驚くのは、金色の巨大な鳥居である。 赤い鳥居を見慣れた日本人でも、思わず写真を撮ってしまう光景だ。 金運神社はその名の通り、金運や仕事運にご利益があり、宝くじの抽選前は特に参拝者が多くなるそうだ。
金色の御守り各種
神社のいたるところが金で溢れ、社務所には幸運をもたらす「金のお守り」や「金の小槌キーホルダー」などがある。 他にもどんなゴールドアイテムがあるのか、ぜひ探してみてほしい。
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2つめの訪問先は、幹線道路から少し入ったところにある橿森神社。ここは、子供の安全と成長を守ることを主な目的としている神社だ。
また、岐阜に根付いた織田信長を祀る岐阜信長神社もあり、織田信長ファンや出世したい方はぜひ訪れてみて欲しい。
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3つ目の訪問先は、1900年の歴史を持つ稲葉神社。 広大な境内には大きな鳥居と長い参道があり、入った途端、静寂と荘厳さを感じることができる。また、正月には岐阜県で最も多くの人が訪れる神社であり、地元の人々にとって伊奈波神社がいかに重要な存在であるかがわかる。
伊奈波神社境内には、気にしないと見逃してしまいそうな、とても有名な「黒龍神社」がある。どんな願いでも叶えてくれるといわれ、特に病気平癒や試験合格に効果があるとされ、日本全国から参拝客が訪れる。
伊東豊雄が設計した最も美しい図書館:みんなの森 ぎふメディアコスモス
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「ぎふメディアコスモス」は、国際的な建築家である伊東豊雄氏の設計による岐阜市立中央図書館を核とした複合文化施設で、「日本で最も美しい図書館」に何度も選ばれている。内部には岐阜県産のヒノキを使った格子状の屋根があり、広い空間には冷たい壁はなく、宙に浮いている、デザインの違う11個の傘のようなオブジェでエリアがわけられている。 自然光が差し込む温かみのある館内では、子どもたちの遊ぶ声が聞こえ、SNS用の写真撮影もOK(他人の顔は写さないように!)だ。
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図書館全体が芸術作品のようで、一見の価値がある。一度訪れると、いつでも「ぎふメディアコスモス」が利用できる岐阜市民がうらやましくなってしまうはずだ。
図書館の向かいにある岐阜市役所17階の展望スペースで、昼間とは違う雰囲気のライトアップされた傘型カーテンの写真を撮るのもおすすめ! (展望スペース開館時間:8:00~20:00)
岐阜市へのアクセス
電車で岐阜市へ
名古屋からJR東海道本線で名古屋駅→岐阜駅(所要時間約20分、料金470円)。
中部国際空港から名鉄空港線特急で金山駅まで行き、JR東海道本線に乗り換えてJR岐阜駅へ(所要時間約1時間、料金1,370円)。または、名鉄空港線のみで、名鉄岐阜駅へ(所要時間約1時間、料金1,370円)。
飛騨高山からJR飛騨特急で高山駅→岐阜駅(所要時間約2時間、自由席料金4,500円)。
車で岐阜市へ
名古屋市内からは、名古屋高速から東海北陸自動車道を経由し、岐阜各務原ICで下りた後、北西に20分ほど車を走らせれば岐阜市中心部に到着する。
まとめ
川原町
文化の都、岐阜市に足を踏み入れることは、宝を発掘するようなもので、深く知れば知るほどその魅力は増していく。
歴史や文化が好きな方は、川原町の古い町並みを訪れ、岐阜城で織田信長が賞賛した景色を見た後、長良川で1,300年以上前から伝わる鵜飼いを見に行くと良いだろう。現代美術や文化を愛する人は、「メディアコスモス」に行き、国際的な建築の美しさに触れてみてほしい。
名古屋から20分、ゆったりとした時間が流れる奥深い町岐阜市があなたを待っている。