| セントリップ・ジャパン編集部

【静岡県三島市】名古屋から行く三島一日観光モデルコース

観光地としての魅力あふれる三島

静岡県三島市は、北東の箱根、東の熱海、南の伊豆半島など、有名な観光地に囲まれているため、観光目的地として見落とされがちだが、じつは見所が多いエリアだ。

富士山の眺望、富士山の噴火が作り出した自然の造形、富士山の雪解け水の恵み、荘厳な三嶋大社。この記事では、そんな魅力あふれる三島を一日かけて観光するプランを紹介する。

名古屋から三島へのアクセス

名古屋から三島へは東海道新幹線を利用する。「ひかり」の場合は1時間20分程度、各駅停車の「こだま」の場合は1時間45分程度だ。「ひかり」の方が早く着くが、すべての「ひかり」が三島に停車するわけではないので注意が必要だ。料金は新幹線の特別料金を含めていずれも7,910円だ。

東京駅からも、同じく東海道新幹線の「ひかり」もしくは「こだま」で1時間かからずに到着することができる。

三島の一日観光プラン

三島駅からスカイウォークへ

新幹線を降りるとホームから富士山を見えるため、気持ちが高ぶる。

駅を降りたら南口に向かってみよう。三島の駅自体が富士山をイメージした形になっていておもしろい。まずは駅前のロータリーからバスに乗り、スカイウォークを目指そう。

バスは5番乗り場から発着する。三島駅からスカイウォークまでは片道570円だが、スカイウォークと山中城跡の間もバスで移動するため、1,000円で1日乗り放題の「みしまるきっぷ」を購入することをおすすめする。「みしまるきっぷ」は三島駅にある観光案内所で購入することができる。

三島駅南口
東海バスとバス停

三島スカイウォーク

最初の目的地、三島スカイウォークは2015年にできた吊橋だ。全長400メートル。車両の通れない歩行専用の吊橋としては日本で一番長い。通行料は大人の場合、往復1,100円で、子どもの場合は年齢によって料金が異なる。

橋と富士山
橋から正面をみた風景

400メートルの鉄製の吊橋という現代的な建築物と富士山とのコントラストが鮮やかだ。とくに橋の西方向の眺望は絶景で、富士山から駿河湾まで一望できる。

吊橋を渡った北エリアは公園として整備されており、様々なアクティビティが用意されている。

南エリアのスカイガーデン
みしまコロッケ

南エリアには橋と富士山を見渡せる展望エリアや、美しい花が飾られた屋内庭園がある。三島のローカルフードである「みしまコロッケ」も販売されている。

山中城跡

ふたたびバスに乗り、スカイウォークから先に進み、山中城跡で下車しよう。山中城跡では、日本の歴史遺産と富士山の組み合わせが楽しめる。

山中城は日本の戦国時代に北条氏康(ほうじょううじやす)によって築かれた山城だ。建築物が復元されているわけではないが、障子の枠のように見える変わった形の堀がきれいに残っており、興味深い。

芝生によって保護されている堀の跡
城跡から望む富士山

高低差のある城跡は、ちょっとしたトレッキング気分を味わうことができる。登りきった高台から望む富士山の眺望は素晴らしい。

旧東海道の史跡

三島は東京と京都を結ぶ歴史的街道、旧東海道の上に位置し、重要な宿場町のひとつであった。山中城跡周辺には、当時の街道の雰囲気を残す石畳が整備されている。

また、三島駅とスカイウォークや山中城を結ぶバス路線は、まさに旧東海道のルートであり、沿線には当時の松並木や、一里(約4キロ)ごとに旅人の距離の目安として作られた一里塚が残されている。

街道に並ぶ松並木の間からも富士山がよく見える。

山中城周辺の石畳
錦田一里塚

うなぎの坂東

うな重
やわらかく蒸されたうなぎ

スカイウォークと山中城を見たあとは、乗ってきたバスで三島駅に戻ろう。
三島での昼食のおすすめはうなぎだ。三島のうなぎは、澄んだ富士山の伏流水で数日泳がせてから調理されるため、臭みがなく、美味しいと言われている。駅周辺にはうなぎ料理を提供する専門店が数多くある。

楽寿園

三島駅南口からすぐのところには、楽寿園という広大な庭園がある。

元々は日本の皇族の邸宅であったが、現在は三島市が管理し、公園として公開している。大昔に富士山が噴火した際に流れ出した溶岩がそのまま活かされた特徴ある庭園が広がっている。

庭園内の様子
枯渇した小浜池

公園の中心には小浜池という池がある。かつて水の貯まっていた小浜池は現在、ほとんど枯渇している。そのため、池の底の溶岩石が露出した他に類を見ない珍しい景色が見える。

水辺散策

三島は水の町だ。富士山の雪解け水が町のいたるところに流れている。その水辺を散策するのも、三島観光の楽しみだ。5キロ、2時間ほどの散策コースが整備されており、コースの一部だけを楽しむこともできる。

楽寿園の南口を出るとすぐに源兵衛川(げんべえがわ)のせせらぎが目に入る。源兵衛川は「水の都」と呼ばれる三島を象徴する小川だ。この川に沿って、美しい水辺の散策をスタートしよう。

雷井戸
手漕ぎのポンプ

水辺のルート上には、直径3メートルもある大型の井戸や水を汲み出すためのポンプ、かつて使われていた時を知らせる鐘など、写真映えするスポットも多く、飽きずに歩くことができる。

鐘楼
水の町を象徴するモニュメント

水辺散策の雰囲気はつぎの動画も参照してほしい。

三嶋大社

街なかの水辺を散策しつつ、最後は三嶋大社を目指そう。

三嶋大社はこの周辺でもっとも歴史と権威のある神社だ。12世紀に日本の武士の時代をスタートさせた源頼朝も、宿敵である平氏との戦いを前に、この神社で勝利を願ったと言われている。

三嶋大社の本殿
鹿が暮らす庭園

三嶋大社の境内は広い。本殿など、いくつかの建物は国の重要文化財に指定されている。神池(しんち)と言われる池には小さな美しい神社が浮かんでいる。奈良の春日大社から送られた鹿もここに暮らしており、餌を与えることができる。

境内の様子
境内ある複数の小さな神社

まとめ

富士山の眺望、富士山の雪解け水が流れる水の町、荘厳な三嶋大社、旧東海道の宿場町としての歴史、等々、三島観光にはいくつもの魅力がある。三島は、富士山と日本の歴史・文化を同時に楽しめる稀有な場所だ。

箱根や熱海、伊豆といった人気の観光地とも近い。三島を観光しつつ、周辺にあるつぎの目的地に向かうのも良いだろう。

Related Articles Related Articles